1997年に始まり、今年で第26回大会を迎える全国高等学校女子硬式野球選手権大会。近年、全国各地の高校に女子野球部が誕生しており、昨年から決勝戦が阪神甲子園球場で開催されたことによって更なる盛り上がりが期待されます。
長い歴史を持つ本大会を戦ったOG選手からの応援メッセージ企画。今回はアサヒトラストの時田怜奈選手です。
【時田 怜奈(ときた れいな)】2001年8月26日生まれ。横浜隼人高校出身。
高校2年夏にはベンチ入りメンバーとして全国準優勝を経験。3年夏は初戦敗退も、U-18日本代表に選出され、女子野球アジアカップの2連覇に貢献。日本大学進学後はハナマウイに入部、今季からはアサヒトラストに所属しています。
☆選手権大会参加
第21回大会(2017年)
第22回大会(2018年)
第23回大会(2019年)
ーー高校夏の大会での一番の思い出を教えてください。
3年の夏の大会は初戦敗退でしたが、その試合が一番記憶に残っています。雨で延期となった翌日の第1試合。グラウンドのコンディションは最悪でした。マイクロバスに選手全員が乗り切れなかったため、ベンチに入れなかったメンバーが先に球場に向かっていました。
後のバスに乗っていた私が着いた時、後輩たちがユニホームを汚しながらグランド整備をしてくれていました。グランドの水溜まりの水抜きをしてトンボをかけ、スタンドのベンチを相手側まで全部拭いていました。これは先生に指示されたわけでも連盟の方から指示されたわけでもなく、後輩たちが自ら考えて行ったそうです。
試合後のミーティング、先生から「連盟の方に、『こういうチームに勝って欲しいんだよ。』と言われた。」という話を聞き、私は涙が止まりませんでした。
チームの為にと思って行動してくれた後輩たちに、私たちがしてあげられることは勝利をプレゼントすることでした。私たちのために頑張っていた後輩たちに、何もしてあげることができなかった。私がそれに気付いたのは試合が終わってから、試合に負けてからでした。遅かったです。
もう3年も前のことですが、今でもはっきり覚えているし、思い出すと涙が込み上げてきます。悔しい思い出ですが、私にとっては自慢の後輩を自慢できる思い出エピソードです!これからもずっと忘れません。
ーー現在の高校女子野球の盛り上がりをどのように感じていますか?
プロ野球の女子チームができたこともあり、認知度が上がったと思います。私が通う大学でも女子野球を知らなかったという人から声をかけてもらうこともありました。
学生時代に女子野球部の選手だったOGが指導者となって母校に戻ったり、新しく高校でチームを作ったりすることでさらなる発展に繋がると思います。
ーー夏の大会で後悔しないためにやっておいた方が良いことはありますか?
やりたいようにやる!疑問は解決する!違うと思ったら言葉にして伝える!
ーー夏の大会に臨む女子選手に向けて、応援メッセージをお願いします。
全力でやり切ってください!応援してます!