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〜父娘2代での甲子園出場〜 横浜隼人・櫻井りん香&日大山形・櫻井浩司

1回戦から5試合の厳しい戦いを勝ち抜き、準決勝の京都両洋戦でも延長にもつれる激戦を制し、甲子園で行われる決勝戦へ駒を進めた横浜隼人高校。勝利の瞬間、歓喜に包まれるスタンドでは『まさか娘に甲子園に連れて行ってもらえるとは』と涙を流す元高校球児の保護者の姿も観られました。

横浜隼人で背番号12を背負う櫻井りん香選手の父・櫻井浩司(さくらいこうじ)さんは元甲子園球児。日大山形高校出身の櫻井さんは2年時、1990年の第72回大会で甲子園に出場しています。

父娘2代での甲子園出場を決めた櫻井さんに、現在の思いをお話いただきました。

ーー櫻井さんが感じた甲子園はどの様な場所でしたか?

いや〜もう小さい頃から目指していた場所なので、入った瞬間は感動ですよ。『広い!』というのが第一印象です。

高校野球の聖地と言われているだけあって、見た瞬間は感動ですよ。

内野手の控えとしてベンチ入りしていましたが、鹿児島実業相手に序盤から点差をつけられてしまい、最終回に代打で一打席立たせてもらいました。

ーーりん香さんが野球を始めたきっかけを教えてください。

小学校3年生の時に、親子キャッチボールのイベントがあり、そこで初めてキャッチボールをして『楽しい』となり、1週間後には地域のスポーツ少年団に入っていました。

ちょうどその年、僕の母校の日大山形が甲子園でベスト4までいったので、全試合観に連れて行きました。そこでさらに野球にハマっていきました。きっかけはキャッチボールでしたが、日大山形が甲子園に行っていなかったら今の姿はなかったと思います。

ーー親子二人で憧れとなった甲子園。昨年、決勝戦の甲子園開催が決まったときはどの様な思いでしたか?

元々は女子野球で甲子園を目指せる環境がなかったので、ただ『野球が楽しい!』という気持ちでやっていましたが、甲子園での開催が決まって目標はすぐ変わりましたよ。『甲子園に行きたい』と。

昨年は夏の大会の時期に足首を怪我してしまい、松葉杖でベンチ入りするという悔しさもあったので、今年こそはと思っていました。

ーー緊迫した試合となった準決勝に勝利し、甲子園が決定した瞬間はどの様な気持ちでしたか?

みんな泣いていましたよ。保護者もみんな。高校野球を経験している親も他に何人かいたのですが、『娘に甲子園に連れて行ってもらう』というすごく素敵なことが決まり、思わず男同士で抱き合っていましたよ。

ーーサヨナラ勝ちや逆転勝利、延長での勝利など、激戦を勝ち抜いてきたここまでの横浜隼人の戦いをどの様に見ていましたか?

ちょうどコロナの時期だったので、今まではほとんど試合を見れていませんでした。この一週間は5試合をしっかりと観ました。凄いですよねレベルも高いし、上手だし。そんな中で勝ち上がれたことは、本当によかったなと思います。

7月28日が僕自身が高校三年生の時に負けた日で、(履正社相手にタイブレークで勝利した)その日も少し嫌な展開だったので、『親子で同じ日に負けるのかな〜』とネガティブになっていましたが、そこに勝ったときは『これは甲子園までいけるな』なんて思っていました。

その後、7月30日に勝って甲子園を決めました。これは後から気付いたことなのですが、僕が2年生の時に甲子園を決めたのも同じ日でした。親子で同じ日に甲子園を決めたということは運命的なものを感じています。

ーー控え選手ながらベンチで誰よりも声を出していたり、ネクストバッターズサークルで選手に声かけをしている姿が印象的なこの大会でのりん香さんの戦いぶりは櫻井さんの目にはどの様に写っていますか?

春の選抜大会までは背番号2をつけさせてもらっていたのですが、手術の影響で練習ができない時期もあったり、2年生のキャッチャーの選手もどんどん伸びてきたりということもあり、『キャッチャーでレギュラーは難しいと思うよ』という話はしていました。

そこで、「チームのために色々な持ち場や役割がある。りん香はりん香の役割を持って、試合に出れなくても腐るのではなくて、チームのためにできることをした方がいいよ」という話をしていたので、それが実践できていると思います。

ーー甲子園で迎える決勝戦。どのような戦いをして欲しいと思っていますか?

僕個人からしてみれば、今の段階で大満足です。

もちろん、チームとしては日本一という目標があるので、それはそれで頑張って欲しいです。ただ、今のチーム状態だと自ずと結果はついてくるのではないかと思います。

ーー最後に甲子園での戦いを迎える娘さんにメッセージをお願いします。

お父さんが見た光景を同じ場所で目に焼き付けてもらいたいです。

球場に入った瞬間の風景はずっと残るものだと思っているので。あとはもう楽しんで欲しいです。

1打席でもいいから打席に立ってもらいたいという希望はありますが、それは試合展開や監督の判断もあるので…

昨年に引き続き甲子園で行われる決勝戦。いよいよ本日16時プレーボールです!!

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